中国とベトナムの国境に位置する小都市が、越境ECの新たな拠点として注目を集めています。特に、広西壮族自治区の凭祥市では、TikTokの越境小店が活性化し、越南語を話せるライブ配信者が需要を集めています。これらの都市は、ベトナムだけでなく東南アジア全域に向けた越境ECのハブとして急成長しており、多くの企業がこの地域での事業展開を進めています。
凭祥市の越境ECの発展
凭祥市は地理的優位性を活かし、急速に越境ECの拠点として成長しています。2022年4月にTikTokが越境小店の登録を開始して以降、現地のMCN（マルチチャンネルネットワーク）会社がライブ配信のトレーニングや店舗運営を始め、ベトナム語を話せる配信者が多く集まっています。商品の配送も迅速で、48時間以内にハノイに到着することが可能です。
越境ECの繁栄の背景
中越間の貿易が活発化していることも、凭祥市の越境ECの発展を後押ししています。2023年、越南は広西の最大貿易パートナーであり、広西からベトナムへの輸出入は1246.8億元に達し、前年より27.5%増加しました。越南のEC市場も急成長しており、2023年には80億ドルの市場規模を持ち、2025年には390億ドルに達する見込みです。
他の国境都市の成長
凭祥市だけでなく、広西東興市や雲南紅河州河口県も越境ECの重要拠点となっています。これらの都市は、一帯一路やRCEP（地域包括的経済連携協定）などの政策の恩恵を受けており、政府も越境ECのインフラ整備に力を入れています。例えば、河口県では1-2年のオフィススペース免租や保税倉庫の優先使用などの支援策が提供されています。
越境ECの課題と解決策
越南での越境ECには倉庫の確保が大きな課題ですが、国境に近い都市に倉庫を設けることで解決策を見出しています。例えば、高冬冬氏は、越南国内の倉庫ではなく、凭祥や河口に倉庫を設けることで、在庫の管理を柔軟に行い、コストを抑えています。
今後の展望
凭祥市などの国境都市は、ベトナムや東南アジア全域に向けた越境ECのハブとしてさらなる成長が期待されています。特に、交通インフラの整備や政府の支援策により、企業が安心して事業展開できる環境が整いつつあります。これにより、ますます多くの企業がこの地域での越境ECに参入し、新たなビジネスチャンスを掴むことができるでしょう。
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